かの名将が「勝ちに不思議あれど、負けに不思議なし」と言ったように前節・鹿島アントラーズ戦での敗因は幾つかある。
そこで出た問題点に目を向けるのも1つだが、過密日程の影響により中3日で次の試合がやってくるため、チームマネジメントが難しいのが現状である。
ましてや、次の試合は負けるなんてことは許されず、勝つことのみが求められる一戦だ。
過去の直接対決の成績
日時 | H / A | スコア | 得点者 |
2019年8月14日 天皇杯 | HOME | 2-1 | 中川 風希、大津 祐樹 |
2018年7月11日 天皇杯 | HOME | 2-1 | ウーゴ・ヴィエイラ × 2 |
2012年10月10日 天皇杯 | HOME | 2-1 | 中村 俊輔 × 2 |
2007年08月11日 J1 | HOME | 8-1 | 大島 秀夫 × 4、坂田 大輔、山瀬 功治 × 2、山瀬 幸宏 |
2007年03月10日 J1 | AWAY | 0-1 |
直近の試合結果
横浜F・マリノス
対戦相手 | スコア | 得点者 |
7月18日 J1 vs 鹿島アントラーズ | 2-4 | マルコス・ジュニオール × 2 |
7月12日 J1 vs FC東京 | 1-3 | 遠藤 渓太 |
7月8日 J1 vs 湘南ベルマーレ | 3-2 | 天野 純 × 2、オナイウ 阿道 |
7月4日 J1 vs 浦和レッズ | 0-0 | |
2月23日 J1 vs ガンバ大阪 | 1-2 | マルコス・ジュニオール |
横浜FC
対戦相手 | スコア | 得点者 |
7月18日 J1 vs 川崎フロンターレ | 1-5 | 田代 真一 |
7月12日 J1 vs ベガルタ仙台 | 1-1 | 一美 和成 |
7月8日 J1 vs 柏レイソル | 3-1 | 斉藤 光毅、松浦 拓弥、オウンゴール |
7月4日 J1 vs 北海道コンサドーレ札幌 | 1-2 | 一美 和成 |
2月23日 J1 vs ヴィッセル神戸 | 1-1 | 瀬古 樹 |
スタメン予想
横浜F・マリノス
疲労の色が濃い畠中槙之輔、扇原貴宏の2選手は休ませたいためスタメンから除外。
ダービーということで、その意味を重みを1番理解しているだろうと思われる水沼宏太とこういう試合で何気に決めちゃいそうな遠藤渓太の2人に期待を込めてスタメンと予想。
横浜FC
今季、4バックと3バックを併用できるチームにいうコメントを以前どっかで見た気がするが蓋を開けてみたら3バックばっか採用している上にメンバーもほぼ固定。
右WBには前節、契約の兼ね合いで出場不可だったマギーニョのスタメン復帰を予想。
六反勇治が鼻骨骨折により期間は不明だがユースから1人、2種登録で引き上げるくらいだから引き続きお休みかと。
その他、昨年J1昇格への立役者となったヨン・ア・ピン、レアンドロ、イバという属にいう外国人トリオだが、公式リリースは無いものの怪我らしく、故に何時出てくるか分からない怖さもあるが、いきなりスタメンとは考えづらいため除外。
怪我・出場停止情報
パク・イルギュ(横浜F・マリノス)
公式リリース:6月16日
右手骨折のため全治2ヶ月
實藤 友紀(横浜F・マリノス)
公式リリース:7月14日
右ハムストリング肉離れのため全治4~6週
六反 勇治(横浜FC)
公式リリース:7月16日
鼻骨骨折
試合内容の展望
ベテラン、中堅、若手の融合によって13年ぶりにJ1に戻ってきた横浜FC。
が、ちょいちょい怪我人が発生しているらしいし、そして降格なしのレギュレーションにより来年を見越してのチーム作りをしているのか、リーグ再開後は若手がスタメンに名を連ねている。
そうした中でゲームコントロールにやや難あり、終盤に体力が落ちてきて失点する場面も多く、前節の川崎フロンターレ戦では終盤に畳み掛けられて5失点を喫し、ここまでクリーンシートで試合を終わらせたことは1度も無い。
立て直しが求められるが、それは我がマリノスにも共通する点である。
こちらも前節の鹿島アントラーズ戦では4失点とここまで3試合連続で複数失点をしているだけに守備面での改善が求められるが、失点をしないためという守るための守備ではなく、得点を取るべく先ずは相手からボ-ルを奪うという積極的な守備が見られるかどうか。
そして自分たちに流れを引き寄せた時に得点できるかも大事だが、仮に得点を上げることが出来なかったとしても焦れることなく、試合終盤の勝負所にギアを上げてアクセルを踏むことが出来るか。
ダービーということで戦う姿勢を示すことは当然ながら、この1戦にどれだけのものを賭けられるかが勝負の分かれ目となってくるだろう。
ポイント① 迷わず行けよ 行けばわかるさ アタッキングサード
前節の試合後に扇原貴宏は「自分たちは下からつなぐサッカーをやっているので、そこでミスさえ減らせれば、アタッキングサードまでしっかりとビルドアップできれば、ピンチも減ると思います。もちろん守備面の組織的リスクマネジメントも大事ですし、そういうところの集中力も大事です。」とコメントしています。
要は、アタッキングサードまで行く前にボールを失うためとのことだが、そもそも論としてアタッキングサードとはなんぞや?って事について説明します。
上記の図のようにアタッキングサードとは、ピッチを3分割したときに相手ゴールに近い3分の1のエリアを指す言葉になります。
つまり、ざっくり言うならマリノスはGKからDFへ、DFからMFへ、MFからFWへといった感じで順にボールを繋いでいって相手ゴールに近づいていくわけだが、相手ゴールにもうちょっとというアタッキングサードに侵入する前段階でミスもあってボールを失っているからピンチになる、失点に直結することが多いということになります。
前節、横浜FCは川崎フロンターレ相手に試合の主導権を奪うべく序盤に前から積極的にプレスを掛けてきため、マリノスとしてはその勢いに圧倒されたり受けに回ることなく、掻い潜ってアタッキングサードまで行けるかどうかがポイントの1つになってくる。
ポイント② 11は1の集合体である
サッカーは11人対11人で行うスポーツだが、ミクロに各局面に目を向ければ、1対1の攻防とも言える。
例えば、横浜FCの星キョーワァンは泥臭いプレーを信条とし1対1に定評のある選手であるため、そういう選手に対してマリノスで言うなら遠藤渓太はドリブルが得意な選手なので、積極的に自分から仕掛けていって抜くことができるのかどうか。
といったようにアタッキングサードまでは行った、後は目の前の相手選手をドリブルで抜いてクロスを上げるのか、抜くことはせずともフェイントで左右に揺さ振ってちょっとした隙を突くようにシュートを撃つのか、そういう局面毎の1対1の勝負に目を向けてみるのも試合を楽しむポイントの1つになってきます。
ポイント③ 西から東の港町にやってきた刺客
ポイントの3つ目は、敢えて相手チームの若手の中から1選手をピックアップすることで、今後我々の前に立ち塞がる可能性が高いので若い芽は早めに潰そう!というコーナーです。
今回紹介するのはDFの小林友希(プロ2年目)
期限付き移籍により加入
ヴィッセル神戸のアカデミー出身で、高校1年生の時からトップチームに2種登録されていた選手であり、年代別の日本代表の常連です。
2018年(当時高校3年生)にはマリノスとの試合に出場しJ1デビューを飾ったため何かと縁のある選手とも言えます。
特徴としては、185㎝という体格を生かし空中戦を含めた競り合いの強さや利き足である左足から繰り出される精度の高いキックによって後方からゲームの組み立てができるところが持ち味になります。
年代別日本代表の森山佳郎監督にして、彼がいれば将来の日本代表のCBは安泰と言わせるほどの逸材だからこそ、ダービーという場を通して勝負の世界の厳しさを存分に味わってもらうようにしましょう。
まとめ
ダービーということで、チームの状態がどうこうってのはあるにせよ、それを問う時間ではありません。
この1戦に勝つかそうでないかが最重要であって試合が終わった後、道の真ん中を歩いて帰り、陽の当たる場所で過ごしたいのなら勝利を手にするしかないのです。
だからこそ、横浜のプライドにかけて全力で戦い、叩き潰すのみ!ってことになります。