前節のFC東京戦は先制し、その後もチャンスは作るものの決めきめず、反対にカウンターとセットプレーから失点しての逆転負けでリーグ再開後の3連戦を終える形となった。
幾つかの課題は出たものの1週間をインターバルを得て頭の中を整理し、コンディションを整えたところで次なる3連戦の初戦はアウェイに乗り込み、鹿島アントラーズとの対戦になる。
過去の直接対決の成績
日時 | H / A | スコア | 得点者 |
2019年09月25日 天皇杯 | AWAY | 1-4 | エリキ |
2019年08月10日 J1 | AWAY | 1-2 | 仲川 輝人 |
2019年04月28日 J1 | HOME | 2-1 | 仲川 輝人、マルコス・ジュニオール |
2018年10月14日 ルヴァンカップ | HOME | 2-2 | ウーゴ・ヴィエイラ、仲川 輝人 |
2018年10月10日 ルヴァンカップ | AWAY | 2-1 | 天野 純、ウーゴ・ヴィエイラ |
2018年08月19日 J1 | AWAY | 0-1 | |
2018年04月28日 J1 | HOME | 3-0 | 遠藤 渓太、天野 純、中町 公祐 |
通算:28勝10分34敗
直近の試合結果
横浜F・マリノス
対戦相手 | スコア | 得点者 |
7月12日 J1 vs FC東京 | 1-3 | 遠藤 渓太 |
7月8日 J1 vs 湘南ベルマーレ | 3-2 | 天野 純 × 2、オナイウ 阿道 |
7月4日 J1 vs 浦和レッズ | 0-0 | |
2月23日 J1 vs ガンバ大阪 | 1-2 | マルコス・ジュニオール |
2月8日 XEROX vs ヴィッセル神戸 | 3-3 PK:2-3 | マルコス・ジュニオール、扇原 貴宏、エリキ |
鹿島アントラーズ
対戦相手 | スコア | 得点者 |
7月12日 J1 vs 浦和レッズ | 0-1 | |
7月8日 J1 vs 北海道コンサドーレ札幌 | 0-2 | |
7月4日 J1 vs 川崎フロンターレ | 1-2 | オウンゴール |
2月23日 J1 vs サンフレッチェ広島 | 0-3 | |
2月16日 ルヴァンカップ vs 名古屋グランパス | 0-1 |
スタメン予想
横浜F・マリノス
ディフェンス陣は前節と一緒を予想。
センターハーフには喜田拓也がスタメン復帰すると思うが、前4枚については人によって意見が分かれそうなため、何とも予想が難しい。
そんな中、アウェイで得点を記録していることから天野純がオフェンスハーフとしてスタメンに名を列ねるのではないかと予想。
鹿島アントラーズ
古巣との対戦ということで伊藤翔と広瀬陸斗のスタメンに期待。
他にもマリノスJY出身の小泉慶も見てみたいがルヴァンカップで1試合にベンチ入りしたのみでリーグ再開後はメンバー外が続いているため可能性は低いとみる。
攻撃陣の左側には好調の上田綺世と白崎凌兵を予想したが、エヴェラウドや和泉竜司、土居聖真の可能性も十分にありえる。
または攻撃陣のテコ入れということで、ここまで途中出場が続いている遠藤康がスタメンに躍り出てくるかも。
怪我・出場停止情報
パク・イルギュ(横浜F・マリノス)
公式リリース:6月16日
右手骨折のため全治2ヶ月
實藤 友紀(横浜F・マリノス)
公式リリース:7月14日
右ハムストリング肉離れのため全治4~6週
試合内容の展望
Jリーグが誕生して四半世紀が経った中で、ほぼ毎年のように何らかのタイトルを獲得していた鹿島アントラーズも気が付けば3年連続で国内無冠。
そんな不名誉を解消すべくチームは新たな方向へと舵を切るとともに今季より監督に就任したザーゴに命運を託したが、蓋を開けてみたらACL、ルヴァンカップ、J1リーグとここまで公式戦6試合を戦ってまさかの全敗である。
試合内容が決して悪いわけではなく一定の手応えみたいなものは感じつつも結果が付いてこず、大きな変化に伴う痛みであると言えば聞こえは良いが、それがどこまで耐えられるか覚悟が問われている。
そもそもザーゴ率いる鹿島アントラーズはどんなサッカーをしようとしているのか。
一言で言うなら「ボールを持つことで主導権を握り、自分たちからアクションを起こしていく攻撃的なサッカー」である。
主導権を握るためにはボールを持っていることが前提になるため、ボールがどこに位置していようと構わず積極的に奪いに行くし、またボールを保持している時に失ってしまったとしても即時奪回を心掛けている。
そしてボール奪取した際は、出来るだけ手数を掛けず得点しようと縦への速さを意識している。
主導権を握る、攻撃的なサッカー、専門用語を使うなら積極的に奪いに行く⇒ハイプレス、即時奪回、縦への速さ⇒ショートカウンターというキーワードだけ並べるとマリノスと同じことをしようといているように思えてくるため、似た者同士の対戦と言える。
そうした中で、どんな戦術をもってしても人が行うがために完璧なものはなく、また物事には長所と短所があってトライ&エラーを繰り返しながら成熟させていくものであり、故にその過程で苦しんでいるのが今の鹿島アントラーズなわけで、マリノスのファン・サポーターならば自分たちの過去を見ている気分にさせられる。
我々マリノスとしても一昨年は降格の危機に直面しながらも残留し、そこから巻き返して昨年はリーグ優勝したものの、それ自体は過去の話であってそこに満足することなく、更なる高みを目指し突き進もうとしていく最中で、こちらも同じく産みの苦しみを味わっている最中である。
が、何らかの組み合わせなりボタンの掛け合わせ、またはゴール1つを足掛かりとして成長進化へのキッカケを掴むのはよくある話なので、僅かな隙すら与えない集中力が勝負への分かれ道と言えるだろう。
ポイント① セカンドボールの回収
所構わず奪いに行く、ボールを失っても直ぐに奪いに行く、奪った際はすぐにゴール目指して攻めるとなると常に全力な故に消耗も激しいため、時にはゆっくり攻めたりしながらここぞって時に全力モードに切り替えるべく、撒き餌が必要になってくる。
ようは、ショートカウンターを発動させるための撒き餌としていわゆるボールポゼッションを使うわけだが、ボールを繋ごうとしても出し所がないと思ったら無理に繋ごうとはせずに鹿島アントラーズの場合はロングボールを蹴ってくる。
主にサイドの裏を目掛けて蹴ってくるが、そこでマリノスとしては弾き返し自分たちの攻撃のターンにしたいのだが、上手く弾き返せずにボールを失うと二次攻撃、三次攻撃を喰らう羽目になる。
なので、鹿島アントラーズの選手がロングボールを蹴った後、どちらのチームの選手がボールを回収するのかがポイントとなり、仮に鹿島アントラーズの選手がボールを回収したらチャンスに繋げやすくなるため、マリノスにとってはピンチと言えるだろう。
ポイント② クロス対応
サイドの裏を目掛けてロングボールを蹴って、そこで回収したら次はゴールを目指すべくクロスを入れるという一連の傾向からか、今季の鹿島アントラーズは昨年よりもクロスの本数が多くなっている。
特にマリノスの場合、サイドに人数をかけてボールを奪いに行く守備をするため、どうしても逆サイドが手薄になってしまう傾向があるし、実際失点シーンに目を向けるとサイドからのクロスに対して逆サイドが…ということでそこを突かれてというのが多く見受けられる。
それに鹿島アントラーズには左なら永戸勝也、右なら内田篤人ないし広瀬陸斗と精度の高いボールを蹴れる選手がいるし、中央には抜群の跳躍力を持つ上田綺世がいるため非常に厄介だ。
そこに対応すべく、マリノスとしては梶川裕嗣と最終ラインの連携が鍵を握るが、前節を観る限りでは試合勘を含めまだ万全ではないチアゴ・マルチンスがこの1週間でどこまでコンディションを上げられたかがポイントになってくる。
ポイント③ 要注意は赤い彗星
公式戦6試合で僅か1点しか獲れていなく、しかもその1点がオウンゴールとあえば鹿島アントラーズの攻撃陣たちにとっては想像するまでもなく非常に歯痒い想いをしているだろう。
今節もそのままお休みしていただきたいところであるが、現状を打破するのは何時の時代も怖いもの知らずの若造ってことで、今後名前を覚えておいて損はない、別の言い方をするなら危険人物ということでここでは荒木遼太郎(背番号26)を紹介したい。
東福岡高校出身の高卒ルーキーながら、ここまでリーグ戦は3試合に出場。
身長170cmと上背はないが、止めて蹴るの基本技術は高く、正確なパスと展開力に優れ、小気味のいいプレーで攻撃を活性化させられる技巧派タイプのMFである。
また戦術理解度が高く中盤ならどこでも出来るし、相手の間でボールを受けるのを得意していて前を向けば自ら仕掛けてシュートまで持ち込む能力も持ち合わせている。
平たく言うと柴崎岳を彷彿させる選手だが、そういう若く勢いのある芽は早めに潰していくのがBESTだが、我々としてはまずは出番がないことを祈るばかりである。
まとめ
中々点が取れない中、守備陣の粘りに懸かってくる面が大きい鹿島アントラーズ。
点を取ってもそれ以上に取られたら意味はないため、だったらそれ以上に取られない追い付かれないよう取って取って取りまくればえぇやないかというマリノス。
1週間のインターバルを利用し、どこまで相手にフォーカスしたトレーニングを積むことができたか、それと同時にどこまで自分たちのやるべきことを整理して質の向上に力を注げたか。
再び始まる連戦の頭を獲ることでチームに勢いを付けるべく、狙うのは勝利という名の勝ち点3のみである。